新耐震基準って何?適用開始年と旧耐震基準との違いを解説!
日本は地震大国であることから、建築物に対する耐震基準は非常に重要な要素となります。特に住宅の購入を検討している方にとっては、自身と家族が安心して暮らせる家であるかどうかを見極めるための基準となるものです。本記事では、新耐震基準と旧耐震基準の違い、そしてそれらがいつから適用されたかについて詳しく説明します。
目次
1. 新耐震基準とは?
新耐震基準は、日本で1995年に阪神淡路大震災が発生した後、その教訓を元に1995年6月以降に導入された建築物の耐震性能に関する基準です。これ以前のものは旧耐震基準と呼ばれ、新旧耐震基準という言葉がよく使われます。
新耐震基準には、地震の揺れに対する建築物の強度や耐久性が規定されており、地震による倒壊や重大な損傷を防ぐための基準となっています。具体的には、一定の地震力(揺れ)に対して建築物が崩壊しない、または人の命に危険が及ばない程度に損傷を抑えることができるように設計・施工することが求められています。
新耐震基準では、主に以下の2つの規定が設けられています。
①初期耐震性:
この規定では、建物が地震の揺れに対して破壊されることなく、揺れを吸収・分散できる能力が求められます。建物が安全に揺れを制御できる強度が必要とされています。
②制震・免震性:
制震機能は、地震のエネルギーを吸収し、揺れを減少させることで建物の安全性を高めます。免震機能は、地震の揺れそのものを建物から遮断し、建物の動きを抑えることで安全性を高めます。これらの機能を備えた建物は、より高い地震対策となります。
新耐震基準に基づいて設計・施工された建築物は、地震発生時の人命保護や財産の損失防止に対して大きな効果を発揮します。これらの基準を満たすかどうかは、中古住宅を購入する際などに重要な判断基準となることが多いです。
2. 新耐震基準の適用開始年
新耐震基準(新しい建築基準法施行令に基づく耐震構造基準)は、日本で1995年6月1日から適用されています。これ以前に建設された建物は、旧耐震基準またはそれ以前の基準に従って建設されています。
阪神淡路大震災の教訓を元に、より厳格で効果的な耐震基準が策定されたのがこの新耐震基準で、建物の耐震性能を高めるための重要な指標となっています。
新耐震基準に基づいて設計・施工された建物は、大規模な地震発生時にも倒壊しにくく、安全性が高いとされています。そのため、マンションやアパートなどの購入を検討する際、新耐震基準適用年以降に建築された物件かどうかを確認することは重要です。
3. 旧耐震基準と新耐震基準の違い
旧耐震基準と新耐震基準は、日本の建築物の耐震性能に関する基準の変遷を表しています。以下にその主な違いについて説明します。
3.1.旧耐震基準
旧耐震基準は、1950年の建築基準法施行時から1995年5月までの間に適用された基準です。この基準は、地震による力(水平力)に対する建築物の耐力を評価するもので、主に建築物が一定の地震力に対して倒壊しないことを確認することを目的としていました。ただし、実際の地震動による揺れや振動は複雑であり、旧耐震基準に基づく設計では、強い地震発生時の振る舞いが必ずしも十分に評価されていないとの指摘があります。
3.2.新耐震基準
新耐震基準は、1995年6月以降に導入された基準で、旧耐震基準の問題点を改善し、より強い地震に対する建築物の安全性を高めることを目指しています。新基準では、地震発生時の建築物の揺れ方や振る舞いを評価するため、3次元的な振動を考慮した詳細な解析が求められます。さらに、地震の揺れに対して建築物が崩壊せず、かつ人命に危険を及ぼす程度の損傷を受けないように設計することが要求されます。
新耐震基準は、大規模な地震が発生した場合でも、建築物が崩壊するリスクを大幅に低減し、また大きな損害を防ぐことを目指したものです。このため、中古マンションを購入する際には、建物が新耐震基準に適合しているかを確認することが重要となります。
4. 新耐震基準が必要な理由
日本は地震が頻繁に発生する国であり、その中でも大地震の発生は避けられない現実です。1981年の新耐震基準導入以前の建物では、大地震が発生した場合、建物が倒壊するリスクが高いとされています。新耐震基準によって建設された建物であれば、そのリスクは大幅に低減されます。したがって、安心して暮らすためには新耐震基準の建物を選ぶことが重要となります。
5. 新耐震基準の住宅を選ぶポイント
新耐震基準の住宅を選ぶ際のポイントとしては、まずその建物が新耐震基準に適合しているかを確認することが重要です。この確認は、設計図面や建築確認済み証の確認、あるいは専門家による耐震診断などを通じて行います。
さらに、新耐震基準に適合していても、その基準は最低限度のものであると理解することも大切です。より安全を求めるならば、新耐震基準以上の耐震性を持つ建物を選ぶことを検討すると良いでしょう。
また、建物の耐震性だけでなく、地震の揺れが大きくなりやすい地盤や、津波の影響を受けやすい地域など、物件の立地条件も重要な要素です。これらを含めて、自分たちのライフスタイルに合った、安全で快適な住まいを選ぶことが求められます。
以上が新耐震基準と旧耐震基準の違い、そしてそれらがいつから適用されたかについての解説です。これから新たな住まいを選ぶ際には、ぜひこの知識を活かして、あなたとあなたの家族が安心して暮らせる家を見つけてください。
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